ベルリン旅行はホントに楽しかった。

友達が住む町と言うのはこんなに楽しいものかと、あらためて思った。

今回は、ゴールデンウィークに日本からYちゃんの弟が彼女を連れてやってくると言うので、Yちゃんの疲労を考えホテルに泊まったが、次回は是非家に泊まって!そしてもっと長めに来て!と言ってくれてるので、ほんとにもう一回くらいはベルリンに行こうと思っている。

ドイツの家はヨーロッパの中でも広い方で、3mもある天井のおかげで余計広々として見える。

形としては小さいアパート。

ドイツの家は上から見るとコの字型になっていて、昔、日の当たる方に家の主が、裏側が使用人の部屋だったらしい。

今は各階表側と裏側に2世帯づつで計4世帯、1世帯分が150㎡以上ある。

う・・・羨ましいぞ!!!!

彼女の前に賃貸で住んでいた家は、もっと良かったらしいが、地上げに合い、立ち退きになった。

最近、ユーロ不審で、投資家が資産を土地で持つようになり、都会の割には地価の安かったベルリンに目を付け、あちこち高額で買ってるらしい。

Yちゃんも去年まで住んでた7部屋もある巨大な家を出て、新しい家を買ったが、前の家よりかなり狭くなったらしく、アパートの入り口から中庭を抜けて行く彼女の家は使用人が住んでたと言われる裏側。ドイツの庶民の家やでと言う彼女の横で、ほぼドイツ人の息子J君は、ウチの家小さいよ!!と不満顔で言う。


あんた!それ日本でゆうたらいくら半分外人の顔してても男前でも反感買うで!!!!

前の巨大ハウスは10万円くらいで借りてたと聞き、おしっこちびるかとおもった。

その家も、今の家も、クーダムと言うベルリンのメインストリート(ロンドンで言う所のオックスフォードロード、大阪の御堂筋・・・)から徒歩3分と言う素晴らしい立地条件。

近くに湖があり、オシャレなカフェもアンティークショップもあり、都会だがあちこちに自然もあり、ホントに素晴らしい環境だ。

長い暗い冬がある事を除いては・・・

イギリスに住んでいるのなら、長い冬は同じなのだからベルリンの方がずっといい!とハイテンションにもなるが、やはり大阪在住者にとっては慣れるのに時間がかかる。

暖かいのが好きやから・・・

と、言うYちゃんも今はすっかり環境に慣れ、良い所も悪い所も見れるようになったが、やっぱり冬は憂鬱になるらしい。

ほぼドイツ人の息子も

公園近くにあるけど、一年の半分は寒いから夏しか遊ぶ気にならない・・・

と・・・そらそうや・・・最近は日本でも冬は外で遊ぶ子少ないで。
おばちゃんら、寒い中鼻垂らしっぱなしで外で遊んでたけどな・・・・

そして、ドイツに来て、あまりにリアルに戦争が身近に感じられるので、怖すぎて戦争の映画なんかは見られなくなったらしい。
ベルリンには戦争の名残りがあちこちにある。
ナチスドイツがどんな事をしたかを示すものが、静かに置いてあったりする。


 
このプレートはアパートの入り口の前に埋め込まれている。
ナチスドイツの時に、収容所に連れて行かれたユダヤ人の名前などが書いてあるのだが、このアパートから誰が何時連行されたか分かるようになっている。

何年か前からアーティストがちゃんと記録に残そうと始めた事らしいが、プレートに名前、生年月日、連行された日付が書いてあるのを見て、この情報がしっかり残っていた事がドイツらしい・・・と思った。

イギリスやったらぜったい記録してないし、あっても無くしてる・・・

今回は時間がなくて行けなかったが、Yちゃんが近くに森があるからお天気が良かったらピクニックに連れてってあげると言ってくれていた場所がある。

よくよく聞いてみたら、そこにはグルーネヴァルト駅があり、そこからユダヤ人を収容所に運ぶ列車がすごい数出て行ったらしい。

駅にはプレートが埋め込まれていて、何月何日に何人のユダヤ人がどの収容所に運ばれていったかが記されている。

無数に続くプレートとまっすぐに伸びた線路を、冬のくそ寒いベルリンの空気の中で見ると、凍えるような寒さの中希望のない場所へと運ばれていく何百人何千人のユダヤ人が乗った列車が線路の向こうへ消えて行くのが見えるようで・・・と、恐怖とも悲しみとも、なんとも言えぬ気持になり、いたたまれなくなるらしい。
こういう事の積み重ねでだんだんと戦争ものから遠ざかるようになったらしいが、

もう、シンドラーのリストなんか怖くて見らへんねん!

と、言った彼女の気持ちがベルリンに行って少し分かった気がする。

寒い暗い冬のベルリンを耐えなくては、明るい気持ちのいい夏のベルリンを楽しめないベルリン生活。

それでも、一度住んでみたいなぁ・・・と思う素敵な街だった。

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